コミュニケーションがなぜ問題になるのか?
NLP(神経言語プログラミング)の前提の1つに「コミュニケーションの意味はあなた(相手)の反応にある」というものがあります。
言い換えれば、受け取り手の反応がそのコミュニケーションの意味であるということで、「今日の服のファッション、良いですね」と自分は褒めたつもりでも、相手からは素直に「ありがとう」と反応が返ってくる場合と、「今日は・・・と言う事はいつもはそうじゃないという事なの?」という反応が返ってくる場合があるということです。
もちろんこの反応の違いには、言葉のニュアンスや言葉選びのセンスなども関係してくるのですが、もう一つ大切な事として相手との関係性を考慮する必要もあると思います。
そうしたコミュニケーションに関することで、先日、運送会社で班長をしている方から聞いたお話があるので、少しここで書いてみようと思います。
最近、その班長さんのチームにヤンチャ系の新人が配属になったそうです。
すると、その新人さんは「みんなと仲良くやりたいです」と言いながら、年齢・先輩関係を無視して「ほぼタメ口」で周囲とコミュニケーションを取り始め、周囲の人たちの方が逆に気を使いつつ彼を避けるようになってしまうようになり、さらに「オレ、ピアスしようと思うんですけどどうすかね~?」と、班長である彼に突然言って来たのだそうです。
班長である彼は、普段の彼の言動なども考えて上司に相談したところ、やはり(?)上司も彼の評判などをウワサで聞いていたらしく、彼は部屋に呼び出されて1時間くらい説教されたそうです。
すると後日、彼は周囲に「オレは仲良くやりたかっただけだし、ピアスだって冗談で言ったのに何で怒られなきゃいけないんだよ」とこぼし、その数日後に突然怒り出して近くの壁を蹴って仕事途中で帰ってしまったとのことでした。
(ちなみに、彼はその後退職扱いとなったそうです)
この話を聞いて思ったことは、言葉遣いもそうですが、その人の経験や価値観、相手との関係性によってコミュニケーションの意味(受け取り方)が、やはり変わってしまうものなのだなということです。
つまり、コミュニケーションでの厄介なところは、お互いの価値観や経験・知識といったフィルターによってアプローチも受け取り方も変わってしまう所にあると思います。
ここからはあくまで私個人の見解ですが、私が思うにヤンチャ系の彼の「仲良くしたい」というのは言わば「友達感覚」での「仲良く」だったのではないかと感じます。
一方、会社などが求めるのはあくまで「協調性」としての「仲良く」することであって「友達感覚」で付き合うことではないでしょう。
また冗談というのも、普段真面目な人が「ピアスしたら少しはモテるかな~」とか、普段スキンヘッドの人が「オレ、明日から金髪にするわ」とか言うのだったら、そのギャップもあって冗談として受け取りやすいですが、ヤンチャ系の彼のように普段から常識からズレたような感覚の人が「ピアスしようかな」と言っても、冗談には取ってもらえないのが普通だと思います。
今回この話を聞かせてもらい、やはりコミュニケーションというのは「話し方」「言葉遣い」も大切ですが、相手がどう受け取るか、自分が相手をどう見ているかなどの相手との「関係性」も大切だなと改めて感じました。
そう考えると、あの「オオカミ少年」の教訓はとても大切なことを教えてくれているのだなと思いました(笑)
私も「冗談は顔だけにしておけよ!」と言われないように、普段の生活態度と言動を気をつけようと強く感じたこの1週間でした。