アルコール依存症の心理カウンセラー・ライフリフォームコーチ、藤 司朗の人生改革日記

アルコール依存症だけど、それでも人生に「YES」と言うために心理カウンセラー&ライフコーチとして生きなおす日々の日記

具体的な戦略のないままに・・・

販売員をしている知人と久々に飲みに行きました(私は運転手なので当然アルコールは飲んでません(笑)。

 

飲み始めてしばらく経つと酔いがまわったのか、知人が「もう、今の会社やめようなかなぁ・・・」と愚痴り始めました。

 

話を聞いてみると、今回の新型コロナウイルスによる自粛などによっての売り上げ減の現状に対して、同じ会社のグループ内でも「代理店」によってかなり対応が違うという話でした。

 

詳しく話を聞いたところ、彼曰く、別の代理店では今回の新型コロナによる売り上げ減は減として、減ってしまった収益を長期的なスパンと、接客などでの感染防止策を講じた上で、どう客足を回復して増益を目指していくかという指針や方法などが、具体的な指示として各社員にまで通達されているそうです。

 

しかし、彼のいる代理店では、新型コロナによる売り上げ減はそれはそれという所までは同じらしいのですが、その後はその自粛期間中のマイナス分を残りの年度の日数に単純に「計算上」上乗せして、「新売上目標」として再設定されただけで、後は感染予防の徹底の指示はあったものの、具体的にどう客足を回復させていくのかなどの指示が無かったということでした。

 

ようするに、彼の言葉を借りれば「ノルマ」が増えただけで、より苦しい状況に彼を含めたスタッフは追い込まれてしまったというわけです。

 

彼の話をさらに聞いていると、これまでも土日に30万円の売り上げ目標だったところ、実際は半分の15万円の売り上げしか出せなければ、残りの15万円は平日の5日間に3万円ずつ目標金額として上乗せされ、平日も達成できなければどんどん残債として目標金額が日に日に上がっていくという形だそうです。

 

そんな話を聞いていたら、私は正直「無間地獄やな・・・」と思ってしまいました。

 

ただ、彼の愚痴を聞いていて私が感じたのは、「売上目標」の仕組みも大変だということもあるけれど、それを達成するにはどうすれば良いのかという「戦略」も知らされないまま、数字だけを押し付けられて追わされることへの不満の方が強く出ているように思いました。

 

その後、彼は久々に飲んだこともあったのか、酔いつぶれてしまったので家まで送って帰ってきましたが、彼の話を聞いていてつくづく「資本主義経済というのは恩恵もあるけど大変なものだな」と強く感じてしまいました。

 

確かに、まだワクチンも出来ていないウイルスと付き合いながらの経営スタイルというものは、いろいろと試行錯誤していかなければならないでしょう。

 

やはり、いきなり完璧な対応策などは無理な話なので、少しずつでも感染予防と経済の両立を目指した「計画・戦略」を考えていかなければいけないだろうと思います。

 

そして、そうした「計画・戦略」をみんなで考えたり方向性を示して行かなければ、企業も現場と経営とのズレが大きくなって結局は淘汰されていってしまうのではないかと思います。

 

もちろん、彼がうらやましがっていた他の代理店の方法がベストかどうかはわかりません。

 

ただ、社会的にも不安の大きい中で目標値だけが増やされてしまうのは相当なストレス・負担だと思います。

 

先が見えないのはどこも同じだと思います。

 

しかし、それでも何とかしようとする姿勢にこそ、人は頼りがいや安心を得られるのではないでしょうか。

 

今回の飲み会の話を聞いていて、やはり「リーダーシップ」や「レジリエンス」、「ビジョン」などといったものが人にとって大事なものなのではないかと実感しました。

 

ただ機械的に数字を操作しただけの「目標」に「戦略」などありません。

 

そして「戦略」のない「目標」は単なる机上の空論でしかないのではないでしょうか?