「生活」ですか? 「生存」ですか?
「生活」と「生存」は重なる部分はありますが、決して同じではありません。
「生存」とは生き残ることです。
「生存競争」と言われるように、生き残るために相争って適応したものが残っていく。
今の資本主義社会に深く根付いているスタイルです。
そして数字によって計算で動かされているシステムです。
そうしたシステムの中の見方で見れば、商店にとって顧客は収入をもたらす資源であって、何人の集客があって売り上げはいくらで、客単価を上げるにはどうすれば良いか、回転率を上げるにはどうすればよいかという視点で見られます。
しかし、そうした考えばかりが前に出過ぎてしまうと、モノは売るけれどサービスは後回しになりやすくなってしまいます。
そこで出てくるのが、顧客への心のサービスをどれだけ提供できたかという指標である「顧客満足度」です。
ところが、この「顧客満足度」も成績化されて、目標値まで設定されるという事がかなり多く起こっています。
本来は商品と共に、心の豊かさも含めた「生活」へのサービスの提供を目指していたはずが、その心の豊かさをどれだけ提供できたかということをアンケートなどによって数値化する事で、企業の「生存」のために利用されていくという皮肉な現状がよく見られます。
こうした企業戦略のための「顧客満足度」とは何なのでしょうか。
「生活(ライフ)」が「生存(サバイバル)」に利用されることは、この資本主義社会では仕方のないことなのでしょうか?
もちろん、全ての会社・事業主さんがそうではないでしょうが、社会で働くという事は「生活(ライフ)」のとって必要不可欠なことでありながら、その根底の多くは競争の原理、すなわち「生存(サバイバル)」よって浸食されている現代は果たして幸せな時代・社会なのでしょうか?
新型コロナウイルスによって生命と経済の在り方が問われている今、私たちも一人一人も、もう一度考えてみる必要があるのではないかと思っています。
「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)」とは毎日のことでありたいと思う私です(笑)