アルコール依存症の心理カウンセラー・ライフリフォームコーチ、藤 司朗の人生改革日記

アルコール依存症だけど、それでも人生に「YES」と言うために心理カウンセラー&ライフコーチとして生きなおす日々の日記

アルコール依存症から再出発への道。

クドイようですがアルコール依存症は病気です。薬物依存症です。ただ、アルコールが未成年以外は合法だというだけで、アルコールも医学的には立派な薬物(薬品)です。

 

ただし、よくある誤解ですが、もしアルコール依存症と診断されたとしても、それがすぐに社会人失格という意味になるというわけではありません。

 

無論、病院治療や回復プログラムを受けず、断酒などもしないでそのまま飲酒を続けてしまえば、自ずと仕事にも人間関係にも、そして家族や経済状況にも影響が出てきてしまい、下手をすれば「人間失格」と言われてしまうような状態になってしまいかねないのが、アルコール依存症の恐ろしいところでもあります。

 

しかし、治療やプログラムを受けて回復し、社会で活躍している人もかなりいるのも事実です。

 

実際、自分自身がアルコール依存症になってしまった医師で、その体験を本に書かれている方もいらっしゃいますし、私の知っている大きな精神病院の院長先生もアルコール依存症になり、それもあってか、今はアルコール依存症の治療と回復プログラムに力を入れて診療されています。

 

どんな病気でもそうですが、アルコール依存症も早期発見・早期治療が望ましく、治療が遅れるほど内臓疾患はもとより、脳や神経へのダメージが大きくなってしまって、手足などの末梢神経障害や記憶力の低下などの症状が出てきたりします。

 

しかし、早期に発見して治療などを受ければ、社会の中で生きていくことには多少の不便(新年会・忘年会などに参加しにくいとか)はありますが、回復して十分に生活をしていくことが可能な病気なのです。

 

もっとも、一般的に回復が難しいと言われているのも事実ではあります。実際、病院での治療や回復プログラムを受けた7~8割の人が再飲酒してしまい、良くて再入院、悪ければそのままアルコール漬けになって家族も仕事も失ってしまう人もいます。

 

また、断酒して20年という人ですら、悪魔の囁きにでもあったのか再飲酒してしまったという話もあり、「アルコール依存症に治癒は無い」というのは本当のことです。

 

ただ、繰り返しますが回復は可能です(治癒と回復の違いは「多分、かなりわかりやすいアルコール依存症入門その1」を参照)。なので、勇気を出して早期に診察と治療をお勧めします。

 

私も「酒をやめるくらいなら死んでもいい」くらいに思っていましたし、「どうせ人生なんてロクなことがないから酒飲んで死んだ方がましだ」とも考えたことがあります。

しかしこうした考えは、今振り返ってみると、アルコールの影響を強く受けていたからこそ湧いてきた考えだったという実感があります。

 

それに、お酒を飲んで楽に死ねることはまずありません(念のため)。

 

現在、新型コロナウイルスの関係で週末・夜間の外出自粛が呼びかけられています。

確かに、これ以上感染を広げないためには仕方のないことなのでしょうが、やはり人間は社会的な生き物なので、フラストレーションが溜まってしまいやすい状況になってきています。

 

私の飲酒がおかしくなったのも、よく遊んでいた友人が転職をして、お互いに休みが合わなくなって会えなくなったのと、それに伴って外出が減り、暇つぶしに家に籠もって「家飲み」が増えた時期だったと思います。

 

会える友人を探してスケジュール調整も必要もなく、一人で時間を持て余している人間にとってお酒を飲んで時間をつぶすいうのは、一番手っ取り早くて簡単な方法です。

 

特に今はコロナのおかげで「できるだけ人と会うな」という状況ですので、家に籠もっての気分転換となると、アルコールを飲んで過ごすという人も多いのではないでしょうか。

 

もちろん、適度な飲酒は結構です。

ただし、それが休肝日無しで毎日となったら赤信号です。

 

アルコール依存症は回復できる病気だと私は強く言いますが(自分にも言い聞かせています)、ならなくて済むなら、ならないようにお気をつけください(笑)

 

そして、アルコール依存症と診断されて断酒されているみなさん。

気分転換が難しい局面になってきていますが、一日断酒で毎日を過ごしていきましょう!