コロナウイルスと自助グループ(断酒会)の困惑。
同じ病気や問題を抱えている人たちが、悩みや思いを共有しながら支えあったり、体験談を語り合って励ましあい、社会的・健康的な回復と、生き方改革を目指して集まるグループを一般的に「自助(セルフヘルプ)グループ」と言います。
有名なものは薬物依存症者の方が中心の「ダルク」でしょう。
ちなみにアルコール依存症の自助グループは、主に私も所属している「断酒会」と、アメリカ発祥の「AA(アルコホーリクス・アノニマス)」があります。
ところで、こうした自助グループの活動の主なものに、会員・メンバー(それぞれ呼び方が違うので両方書きます)たちが集まって、体験談や今抱えている思いなどを語り合う「ミーティング」や「例会」と呼ばれる会合があります。
しかしこの会合が、この度のコロナウイルス感染予防の自粛のため、開催中止になっているところが多いという話です。
実際、私の所属している断酒会も、ある地区の市民館の会議室を借りて週2回開催しているのですが、市の方針によって市民館の使用中止という措置がとられたために、今月は開催できていません。
近隣地区の断酒会も同様のようで、関係者の中には「例会(会合)ができないとなると、悩みやストレスのはけ口が無くなって再飲酒してしまう人も出てくるのではないか」と心配をしている人もいます。
もっとも、自助グループでの会合では、「守秘義務」が伴うような話も話されますし、基本はその場での話は外へ持ち出さないことになっているので、会議室などの部屋の中での集まりとなるのは仕方がないことですので、会場が確保できないとなれば中止となってしまうのも、また仕方のないことだとも思います。
それに、特にアルコール依存症者の場合は、肝臓を中心とした基礎疾患を持っている人が多いので、もし強硬開催してクラスター感染などしてしまったら、重症化してしまう危険性も高いと思います(平均年齢も高くなってますしね)。
しかも感染対策としても、アルコール消毒の臭いは断酒会などの場合は避けた方がいいでしょうし……。
世間ではコロナウイルスの影響は、オリンピック・経済状況などで大きな話題と問題になっていますが、コロナウイルスはアルコール依存症者にも、間接的かもしれませんが大きな影響を与えています。
一刻も早い感染の収束を望みます。
そして、心配なく普通に集会やイベントができるようになることを、最善を尽くしながら待つことにします。