アルコール依存症の心理カウンセラー・ライフリフォームコーチ、藤 司朗の人生改革日記

アルコール依存症だけど、それでも人生に「YES」と言うために心理カウンセラー&ライフコーチとして生きなおす日々の日記

多分、かなりわかりやすいアルコール依存症入門その1

アルコール依存症の経験者(?)である私が、よく聞かれる(と言っても時々ですけどね)質問や相談などに、わかる範囲でできるだけ簡単に答えてみようと思います。

 

Q1:お酒を飲むと暴れたり、暴言を吐いたりして酒癖が悪いです。依存症ですか?

 

A1:酒癖の悪いアルコール依存症者も当然多くいますが、酒癖が悪いからといって依存症とは限りません。

 

Q2:アルコール依存症は「意思の弱い人」がなるのでしょうか?

 

A2:よくそう思われがちですがそうとも言えません。ただし、アルコールも厳密にいえば薬物です。ですので、飲み続けているうちに意思や人格にも影響がでるケースもあるので、そう思われることも多いのが実情だと思います。

 

Q3:アルコール依存症は病院に行けば治りますか?

 

A3:厳密に言えば治りません。よく言われるのが「アルコール依存症は回復はあるけど治癒はない」という言葉です。治癒というのは、骨折で例えれば元通りの形に骨がくっついて生活上の機能も問題ない状態に戻ることです。回復というのは骨はくっついたけど生活上の機能的に問題は残ってしまう状態と言えると思います。

そして、回復しても残る問題とは、アルコール依存症は飲酒量をコントロールすることがもうできないのでアルコールを断つ(断酒する)しかなく、逆に言えば、断酒無き回復ということも無いので、アルコールとの付き合い方が問題になると言えます。

 

Q4:飲酒問題のある人を近くの病院に連れて行きましたが、「お酒は控えてください」としか言われず薬を出されて終わりました。依存症ではないのですか?

 

A4:アルコール依存症の診断と治療の専門は精神科・心療内科の病院になります。

アルコール依存症精神科医の領分になります。ですので、内科などの他科では肝臓や胃腸などのダメージに対する治療はしてくれますが、原因がアルコールであるとわかっていても、「アルコール依存症」という診断はされないと思います。

ただ、病院や医師によっては精神科・心療内科の受診を勧めてくれたり、場合によっては紹介状を書いてくれるケースもありますが、それはまだ稀なケースのようです。

 

Q5:依存症かどうかはわかりませんが家族の飲酒で問題を抱えています。どうすれば良いでしょうか。

 

A5:まずは保健所などの相談員さんへ相談することをお勧めします。

私の地域では保健所のケースワーカーの方が相談を聞いてくれています。ただ、地域によっては別の部署が窓口になっている場合があるので、市役所や区役所などへ問い合わせてもらい、相談窓口を見つけてもらう方が良いでしょう。

ちなみに私の地域では、保健所のケースワーカーさんが仲介に入って個別訪問をしたりして、専門の病院への通院や入院を促してくれているそうです。(私は自発的に病院へ駆け込んだので知りませんでした(笑))

また、依存症治療専門の病院にも、専門のケースワーカーさんがいる場合もありますので、そうした専門家に間に入ってもらう方が良いと思います。

 

対応として一番マズイのは、家族が無理やり病院へ連れていくケースです。

本人が反発するのはもちろん、何とか治療を始めることになったとしても途中でやめてしまったり、首尾よくプログラムを終了したとしても、その後再び元の生活に戻ってしまったりするのも、この家族誘導のケースの人が多いようです。

 

……さて、まだまだ各項目に補足や説明をしたいところがたくさんありますが、それはまたの機会にしたいと思います。

 

では「その2」でお会いしましょう。